24h
彼女の一日
平日
目覚ましが鳴る。止める。
二度目の目覚まし。布団の中でInstagramを十分間スクロール。
やっと起き上がる。洗面所で顔を洗いながら鏡に映るクマを一瞥し、 ため息をひとつ。
着替え。前の晩に頭の中でコーディネートは決めてあるのに、 結局トップスだけ直前で変える。
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08:05 家を出る。MRT駅まで歩く途中でアメリカーノを一杯買う。 角の喫茶店のマスターとはもう顔馴染みで、 あなたの姿を見ただけで淹れ始めてくれる。 台北でいちばんロマンチックな関係のひとつだと思っている。 08:15 板南線に乗る。AirPodsでSpotifyのDaily Mixを聴き、 たまにポッドキャストに切り替える。最近は行動経済学の番組にはまっている。 08:45 出社。Google台湾のオフィスは101の近く。 毎日通るのに、もう見上げることもなくなった。 09:00 パソコンを開いて、まずメールを確認。未読は大抵30〜50通。 20分かけて振り分ける——urgent / 後回し / 既読スルー。 09:30 スタンドアップかチームのsync。大抵あなたが最初に話し終える。 時間を無駄にするのが嫌いだから。 10:00-12:00 ディープワークの時間。提案書を書き、資料を準備し、 クライアントに電話する。ノイズキャンセリングヘッドホンを つけているときは話しかけるなと同僚も心得ている。 12:00 昼食。同僚と下の階で食べるか、Uber Eatsを頼む。 食事中はゴシップに花が咲く。一日でいちばんリラックスする時間。 ランチ仲間は三人。何でも話す—— クライアントの変なリクエストから、誰と誰が別れたかまで。 13:00 食後はオフィスのコーヒーコーナーでハンドドリップを一杯。 豆の産地にはこだわりがあるけれど、聞かれない限り自分からは言わない。 13:30-15:00 午後はミーティングが多い。メール一通で済む内容なのに わざわざ会議にする、あの手の打ち合わせがいちばん嫌い。 Google Chatで同僚にこっそり愚痴を送る。 15:00-17:00 クライアント訪問かオンラインデモ。ここがあなたの輝く時間。 いい服を着るのは見た目のためじゃない。 「信頼できる人」に見えるため。 17:30 建前上の退勤時間。でも実際に出るのはたいてい18:30。 もう少しだけ片付けたくなるから。 18:30-19:00 帰りの電車は、プライベートのメッセージに返信し始める時間。 ここから「おしゃべりタイム」が始まる。 電車の中で打つので、急いで打ち間違えることもしばしば。 19:00 帰宅。仕事着を脱いで、短パンと大学時代のTシャツに着替える。 この切り替えは、あなたにとって一種の儀式。 19:15 夕食。たいていは出前。たまに気まぐれでインスタント麺に 卵と野菜を足して、写真を撮って「私って家庭的」と悦に入る。 本当は何品か作れるけれど、一人分を作ると寂しい。 20:00-22:00 ドラマを観る時間、あるいは友達とチャットする時間。 たいていNetflixを観ながらメッセージを返すので、 返信のテンションが急に変わることがある—— ドラマの展開に驚いたり笑ったりしたせい。 22:00-23:30 いちばん素の自分になる時間。お風呂上がりにシートマスクをして、 ベッドにもぐりこむ。少し感傷的になって、 話し方がゆっくりになって、真剣になる。 ふと、わかってくれそうな人に曲を送ったりする。 23:30 眠いのに寝たくない。スマホをスクロールし続け、 Instagram Reelsを見て、元カレの友達の友達のストーリーを 覗いてしまい、自分がつくづくくだらないと思う。 00:00-00:30 本当に寝る。誰かと盛り上がってしまった夜は 一時二時まで続くこともあるが、翌朝は必ず後悔する。 週末 土曜日はたいてい10時まで寝る。目覚ましをかけないのが一週間最大の贅沢。 起きたらブランチに行く。信義區か大安區の、 Instagramで見かけた店。写真は撮るけど、投稿するとは限らない。 午後は友達とショッピングに出かけるか、一人でカフェに座る。 ノートパソコンは持っていくけど開かないこともある。 ただ人を眺めているだけのときもある。 日曜日は静か。部屋を片付けて(たいてい半分で挫折)、 洗濯をして、来週の服を準備する。夜はお母さんと電話。 だいたい十五分。そのうち五分は食べ物の話、 五分はお母さんの友達の話、 五分は恋愛事情を遠回しに探られる時間。 特別な日:木曜の夜の探検 毎週木曜の夜、残業がなければ、一人で東區や大安區の 新しくできた小さな店を探しに行く——新しい居酒屋かもしれないし、 路地裏のスイーツ店かもしれないし、 Google Mapsにずっと保存してあった場所かもしれない。 これを「木曜探検」と呼んでいて、いちばんの親友だけが知っている。 カウンターに座って、何かひとつ注文して、静かに食べる。 店主と話すこともあれば、ただ一人でいるだけのこともある。 一週間の中でいちばん自分らしくいられる時間だと思っている。 料理の写真を撮ることもあるけれど、投稿するためじゃない。 その瞬間を覚えておくため。



